安住録

未来を照らすための過去

#キスと隔世

キスと隔世。

 

 私は中学生頃から寝つきが悪かった。そのわりに朝はすっと目が醒めるので、きちんと朝ごはんを食べてから、当たり前のようにドタバタと支度をするのだ。あれがないこれがないとわたわたしながら教科書やノートを入れ替える。母がすべて手作りしてくれる、冷凍食品ゼロのお弁当を食べるのが毎日の楽しみだった。あの頃は母の愛情を確かに感じながら過ごしていて、その実感はついこの間まで変わらないはずだった。

 

きすとかくせい。

 

 母が口をきいてくれなくなった。私がADHD疑いを告白してから、ちっとも。実家に帰ると言っても、誕生日おめでとうと言っても、返ってくるのは「既読」だけだ。実家にいるときは朝の挨拶すら無視されてしまう。どうしたらよいのか分からない。そもそも理由が分からないのだ。決定的な理由がなんなのか、どこにあるのか、私も父もさっぱり分からない。いままでも怒らせてしまって口をきいてくれないというのはあったが、もう4ヶ月以上その状態が続いている。父の頭には500円玉サイズの円形脱毛ができた。いや、これは私が迷惑ばかりかけているせいでもあるが。

 

ちゅうとかくせい。

 

 ともかく、どうしたらよいのか分からない。母とはADHD発達障害について話をしたことはなかったから、彼女がそれらに対してどんな認識をもっているのかが分からない。もしかしたらかなりマイナスのイメージをもっているのかもしれない。責任を感じているのかもしれないし、「母の育て方が悪かったからだ」と非難されている気分になっているのかもしれない。そんなことは言っても思ってもないのに。私はただ、"自分がいま自分について考えられること"を家族と共有したかっただけなのだ。

 

中途覚醒

 

 母と話がしたい。また一緒に笑いながら、テレビを見たり旅行をしたりしたい。面白かった映画のことを力説したりもしたい。私は母が好きだ。そりゃあ、どうしようもなくイライラしたり話したくなかったりすることだってある。人間だもの。だけど、やっぱり好きだと思う瞬間にはそうした負の感情はどこかへ吹き飛んでいるのだ。理屈じゃなく、それはもう自然なこととして、母のことを好きだと感じるのだ。

 

 母と話がしたい。なにがいけなかったのか教えてほしい。どうしたらよいのか教えてほしい。そんな思いがぽつりぽつりと浮かんでは消えていく、中途覚醒の夜。

シュガードロップシンドローム

 昨日の朝、早朝覚醒したときに頭のなかに思い浮かんだことば。「シュガードロップシンドローム」、意味はよくわからない。わからないけど、なんだか私にとってとても心地いい響きで、二度寝から目覚めたあとも忘れないようにとメモしていた。ことを、いま思い出した。

 シュガードロップシンドロームってなんだろうな。「ドロップ」ってそもそも甘いものなのに、さらに「シュガー」を添加するのかしら。しぬほど甘そうで、想像しただけでウッとなる。私は甘いものが苦手だ。「パンケーキを食べにいこう」と言われて、食事向けにアレンジされたダッチベイビーを食べるような女だ。今でこそある程度は甘いものが食べられるようになったが、高校のころは甘いもの嫌いがよりひどかった。大学生になっても女子大生らしい遊び方なんてできないと思っていた。頻繁ではないにしろ、そういう遊び方もそれなりにすることができたので味覚の変化には感謝している。

 

 なにが書きたいんだろう。とりとめもない話をしたかったのだとおもう。

 

 シュガードロップシンドローム。甘い甘いものを渇望してしまうのは、私もそうなのかもしれない。ああ、砂糖菓子みたいに優しく甘いお砂糖みたいな空間に包まれたい。

卒業

 高校時代つるんでいた友人たちや、研究室の同期たちが色とりどりの袴に身を包んだ3月、私は青いストライプのシャツを着てカメラを構えていた。

 自身の"管理不足"から先延ばしになったそのカラフルな儀式を目の当たりにしたとき、私は想像以上に劣等感に包まれることとなった。

 私はまだこの劣等感ときちんと向き合えるだけの器をもっていない。劣等感をよりつよく感じさせてくる人びとを恨み、妬み、「奴らはひとの痛みに気付けないのだ」と蔑んで、安心している。

 

 私はもうずっと、ひとを受け入れないことで自分を受け入れてきた。

 中学時代、私は同級生男子からいじめられていた。その頃は「やつらは私よりもずっとずっと知能レベルが低い、だから正しいことをしている私が理解できないのだ」と思うことで、不登校にも保健室登校にもならず、奮闘していた。思えばあの頃、負けていれば、屈していれば、なにかが変わったのかもしれない。なんて、くだらないタラレバ話だけど。

朝ごはんを食べる

 最近のこと。朝ごはんを食べるように、意識しています。

 

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 年末にバイトを辞めてから、午前中を寝て過ごす日々が続いていました。朝きちんと起きて、朝陽を浴びることで身体にとっていいことがあるというのは分かっていながらも、なかなか起きられない。それまでバイトで無理をしていた反動からか、なにもやる気が起きない。積極的になれたのは映画を観にいくことくらいだったでしょうか。

 

 それから少しずつ少しずつ回復して、薬局のバイトを1ヶ月で辞めたりもしましたが、朝起きられるようになりました。と言っても、早くても7時台で、多くは9時台なので、勤めびとからすると「もう会社着いてるわ!」という感じですよね(笑)

 それでも私にとっては大きな一歩で、自分のことを大切にするためにも続けていきたい習慣です。

 

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 夜寝る。朝起きる。朝陽を浴びて、朝ごはんを食べる。

 できることからひとつずつ。合言葉は「がんばらない」です!